Christo and Jeanne-Claude at The Gates, February 2005 | Photo: Wolfgang Volz
クリスト・ヴラディミロフ・ヤヴァシェフはブルガリアからの亡命者で、1958年に21歳のときに共産主義の東欧から無国籍でパリにやってきました。」私は世界に自分の居場所がないこと、自分が誰にも属さないことに腹を立てていた」とクリストは振り返っています。大学で美術を学んだ彼は、最初は皿洗い、やがて肖像画の制作で生計を立てるようになりましたが、物を包むという彼の特徴的なアイディアはその頃からすでに始まっていました。最初は布、ラッカー、糸を使って絵の具の缶を包んでいましたが、その後、郊外の工業地帯にあるガソリン用のドラム缶へと移行していきました。 ジャンヌ・クロード・ドゥ・ギユボンとクリストは同じ日に生まれました。クリストがジャンヌ・クロードの母親の肖像画の制作を依頼されたことがきっかけでふたりは恋に落ち、ジャンヌの家族は最初ひどく困惑しました。しかし1961年になるとふたりは情熱的なコラボレーションを展開するようになり、その後の結婚生活は生涯にわたるものとなりました。ふたりの昔のインタビューを聞いていると、彼らが常にワクワクしながら意見を交換しあい、作品のアイディアを膨らませていた様子がわかります。