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可視化されたエネルギー:カラーセラピーのパワー

色は奇妙で感覚的な、しばしば目に見えない方法で私たちに働きかけます。明るく生き生きした色調は気分を上げてくれます。暗く強い色合いは部屋を一変させます。しかし実際には色は存在しません。

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私たちが知覚している周囲のたくさんの色からなる世界は、実際には単なる反射にすぎません。様々な物体や場所、生物の見え方は、様々な素材や表面がどのように日光を吸収し、あるいは跳ね返すかによって決まります。太陽が沈み、光のエネルギーが弱まってくると、色は次第に薄れて退屈なモノトーンになっていきます。だから夜になるとすべてのものが同じようなくすんだ色で染まっていくように見えるのです。 色は完全に実在するものではないかもしれませんが、色に対する私たちの経験は実在します。色は「可視化されたエネルギー」とも表現できますが、これらの反射光の様々な波長は、私たちに感情的、身体的、精神的な影響を与えることができます。 太陽を崇拝した古代エジプト人は、このことを理解していました。カラーセラピーやクロモセラピーの先駆者たちは、様々な色の光線が身体を浸透させることで特定の病気を治癒することができると信じて、太陽光によって身体を活性化するクリスタルを用いたソラリウム(日光浴室)をつくりました。伝統的な中国医学では、特定の色と身体の気のエネルギーの調整や乱れを関連づけていました。古代ギリシャの哲学者たちは色の科学的・精神的な要素について考察しました。「生命の化学」と呼ばれるアーユルヴェーダでは、7つのチャクラのそれぞれを象徴する色を体内に取り入れます。 過去数世紀の間に、色の神秘的で魅惑的な力は深遠な心を持つ芸術家たちによって利用されてきました。1810年にヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが著した色に関する論文は、古代から学びを得て、様々な色がいかに心理的な知覚を変化させ、身体の状態に影響を与えるかを概説しており、芸術家たちにインスピレーションを与えてきました。ゴーギャンは色を「深遠で神秘的な言語、夢の言語」と呼び、一方でカンディンスキーは、色は「魂に直接影響を与える力を持つ」と信じていました。印象派、シューレアリスム、抽象主義の画家たちは、観客の感情や反応を喚起するために、それぞれ特有な色を用いていました。
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しかし色の作用は癒しだけとは限りません。色は時には武器にもなり得ます。17世紀にイングランド政府はニューモデル軍の兵士たちにヴェネチアン・レッドの軍服を着用させました。この色は人々の心拍を増加させ、敵に驚きと畏怖の念を起こさせる効果があったからです。赤は最も長い波長を通して知覚されるため、赤を反射するものは実際よりも近くに見えることにより人々の注意を促します。だから「止まれ」の標識や信号では赤が使われているのです。 現代の世界では、優れたマーケターたちは、商業的利益のために熱心に色彩科学を利用してきました。食品の広告や飲食店では、顧客の食欲をそそるために黄色やオレンジが使われています。このような色に対する感受性を利用して、食品生産者は食べ物がより美味しそうに見えるように、着色料を添加しています。食べ物の見た目は、食べ物を味蕾で感じるまえに、あらかじめ神経反応を制御しています。これは認識を管理し、私たちが安全ではないものを食べないようにするための、進化の結果生じた心理的なショートカット(近道)なのです。さらに困ったことに、一部のスポーツスタジアムでは、受刑者をより従順にさせる効果があるとされる「drunk tank pink」(ブタ箱のピンク色)で壁を塗装しているアメリカの刑務所からヒントを得て、相手チームのロッカールームをピンク色に塗り、選手のやる気を削ぎ元気をなくさせようとしています。
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それでも、宇宙の万物の混同しそうなぐらいたくさんの色をうまく使いこなす方法を知っていると、役に立つこともあります。緑は心を落ち着かせてくれます。テレビスタジオの「グリーン・ルーム」は、タレントたちの緊張を和らげるために緑色に塗られたのです。公園や森の中を散歩することによって、新鮮な空気だけでなく緑による癒しも得られます。直感と知覚の色である青は、集中と内省を促します。また、青は創造性や空間認識と関連する右脳の活動を刺激する一方で、心の安らぎをもたらし、心を落ち着かせる化学成分の生成を促します。サフランオレンジ色も、さらに深いレベルで私たちに影響を与えます。仏教徒にとって、それは純潔、啓蒙、完成された自己を象徴します。インドでは、ヒンズー教の托鉢僧がより大きな真実や目的を求めて出家するときにもこの色が着用されます。オレンジは刺激的なだけでなく、喜びや強い精神力をもたらし、先にあるものを見通す手助けをしてくれると言われています。数百年前には、黄色は温かみをもたらすことから絵画でも服飾でも多く使われるようになりました。黄色は気持ちを明るくし、新しい思考やアイディアを触発すると言われています。しかし、たくさん使いすぎると悪影響を及ぼすこともあります。研究によると、赤ちゃんは黄色に塗られた部屋にいると普段よりもよく泣く傾向があることがわかりました。 人生のすべてのものと同じように、節度、常識、そしてバランスが重要なのです。
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Text: Liam Aldous

Translated by: Kazuko Sakamoto

Location: James Turrell House of Light, Japan

Moving image: Jahved Crockett