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レジェンドから王族まで:

男性とジュエリーの魅力

古代の王からスターラッパーに至るまで、男性は権力を誇示し、個性を表現し、着飾るためにジュエリーを常に重宝してきた。ジュエリーはコーディネートの中でも見過ごしがちなポイントではあるが“もし極めることさえ出来れば” 身につける者に絶対的な魅力を付加し得る存在でもある。過去、現在、未来における男性とジュエリーの関係性を紐解き、何故、ジュエリーに注目すべきなのか考えてみたい。

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先史時代、つまり私達の先祖は自身を貝殻、歯、骨などで装飾し、地位を誇示したり、魔除けに使い始めたりした時からジュエリーには意味合いが持たされていた。それに男性は以前、現在にも増してジュエリーを身につけていた。19世紀、明治維新の中で男性の着用が禁止されるまでの何百年もの間、日本の先住民族であるアイヌ民族は男女共に葡萄のつたや真鍮製のイヤリングを身に付けていた。更に遡れば、古代エジプトでは王が身に付けた精巧な金やビーズで出来たネックレスは着用したものをより神に近付け、邪悪なものから守る、とされていた。その効果はフリーマーケット等で今でも見かける、青い「邪眼」のナザールタリスマンと同様だ。
ジュエリーに対する男性が持った古い畏敬の念は変わってしまったが、ジュエリーは私達のカルチャーになお影響を及ぼしている。ヒップホップ以上にジュエリーに対し、古代ばりに敬意を表しているカルチャーは無い。ラッパー達と金との絆はツタンカーメンも泣いて羨むほどの強さだ。トゥパック・シャクール(2Pac)がビッギィ・スモールズ(The Notorious B.I.G.)に譲ったロレックス はカニエ・ウエストが身に付けたジェコブ・ザジュエラーがデザインしたステートメントチェーンやジェイZやリル・ジョンのダイヤモンドグリルと同じくらいラップ史でも伝説として語り継がれる代物だ。実際、それは常軌を逸した次元にまでのぼる: リック・ロスは自身顔をダイヤモンドで埋め尽くしたチェーンに150万ドルもの額を出したし、クエイヴォはダイヤモンドが散りばめられたヨーダを持っている。最近、ヒップホップジュエリー史に新たにその名を刻んだのはリル・ウージー・ヴァートであろう。彼は自身の額に2400万ドルのピンクダイヤを装着した。もし、真の大金を顔に収納するという事の意味合いが私たちを騒つかせるなら、これはジュエリーの存在意義の限界の押し上げを意味するのだ。

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男性特有のジュエリーの魅力を追求したのがサフディ兄弟による2019年の映画「アンカット・ダイヤモンド」だ。アダム・サンドラーが名演をした、ダイヤモンド・ディストリクトの悪徳商人ハワード・ラトナーを描写した作品だが、私たちに輝かしい宝石が単に富の象徴だけに留まらず、欲望をいかに刺激する力を有するかを見せつけてくれる。物語の中でバスケットボール選手のケビン・ガーネットは47ストリートにあるラトナーの店に貴重(かつ、気詰まりする程、高価)な未カットのエチオピアから密輸されたオパールを借りに来る。それが、次の試合で自身の活躍に役立つと信じているからだ。時として人は理論を越えた次元の意味を装飾品に持たせがちだが、何より輝く物を手にする個人的なスリルがそこには確かに存在するのだ
しかしながら、宝石、グリルそしてチェーンはその全容のほんの一部なのである。ヒップホップ内外でも最近、男性が復活させているトレンドがある:パールだ。 レッドカーペットではエイサップ・ロッキー、ジェイデン・スミスそしてマシンガン・ケリー等が近年頻繁にパールネックレスを身につけている。そして長年のパールファンとして知られるハリー・スタイルズも2019年のMet Galaにて、片耳に一粒の大きな真珠のイヤリングを身に付け話題を呼んだ。
若い男性アーティストがパール版の「グラニーシック」を堂々と実施するのは一見、奇妙にも思えるが、男性が真珠を身に付けることは何も今に始まった事では無い。チャールズ一世は42個のダイヤモンドがあしらわれた金のエナメル加工されたペンダントと共に一粒の真珠のイヤリングを身に付けた事で知られる。しかし、彼だけではなかった:サー・ウォルター・ローリーもエリザベス一世への忠誠の証として真珠のイヤリングを着けた。そして1587年に出版されたウィリアム・ハリソン牧師の「イングランド誌」の中での有名な一節がこれだ: 「色気づいた廷臣や大胆な紳士達はこぞって金、宝石もしくは真珠のリングを耳に着けた。それにより、神の業が寸分違わない事を想った。」

 

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色気づいた廷臣や大胆な紳士達と言えば、誰も予知しなかった、あるジュエリーが去年相当な話題を呼んだ: コネル・チェーンだ。ポール・メスカルがブレイクしたドラマシリーズ「ふつうの人々」で身に着けたのはシンプルで薄いシルバーのネックレスだったが、それが人々を熱狂させ、@connelschainというコネル・チェーンに特化したインスタグラムのアカウントは現在、17.5万人ものフォロワーを誇る。 これは何の気なく身に着けたチェーンが、タトゥー同様に、服以上に着用した者にとって個性的なアイテムで、別次元の魅力を付加する場合がある、という事の良い事例となった。
このジュエリーの個人的な力の感覚は今、デザイナー達が注目している要素であり、ランウェイでもジュエリーの登場する時間は増えているのだ。ディオールのクリエイティブディレクターであるキム・ジョーンズはAMBUSH®のYOONを同ブランドのジュエリーデザインディレクターに任命した事により、このトレンドをある意味先導しているといえよう。YOONによる貴金属製のゴツめのステートメントチェーン、リングそしてブレスレットはブランドのアイデンティティーを形成するのに明白に役立っており、衣服を越えたディテールがいかに重要かを示している。とはいえ、AMBUSH®はブランドの創設以来これについては既に承知の上だった。AMBUSH®の共同オーナーであるVERBALのために作られた初期の「POW!®」ナックルリングからカニエ・ウエストやファレルの為に作られたカスタムジュエリーに至るまで、AMBUSH®のアクセサリーには常にステートメントが込められている。ブランド設立当初から常にジェンダーレスであり、着用する者に自由に本人の創造性を表現することを促した。
ジュエリーが最も素晴らしいのは、それがお金では買えない、ある要素をもたらすという点だ: 着用する者のスタイリングへの自信だ。シグネットリングを着用するというシンプルな行為から、南京錠付きのネックレスを着けてステートメントを掲げる場合まで、ジュエリーは身に着ける者が自身のコーディネート支配していることを意味するし、そこにはある種の魅力があるのだ。魔除けの効果を信じていない方もいるとは思うが、厳選されたアクセサリーには自信をもたらす効果があるという事に疑いの余地は無い。それをチャーム付きのイヤリングで、金のチェーンで、もしくはダイヤモンドを額に埋める事で表現するかどうかは、全くもって各々の自由であり、ある種の特権ともいえるのだ。

Text: Ashley Clarke

Artwork: WWWESH STUDIO

Translated by: Sho Mitsui

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