コンテンツにスキップするフッターにスキップする
Cyber Week | Extra 20% off Sale
Cyber Week | Extra 20% off Sale

日本ノワール:東京の異世界の夜景

東京には、西新宿をはじめとする超高層ビル群や他都市では見られないようなネオンで輝く風景が街中にある。それは、日本にいると当たり前のものとなっているが、外から見たときには異次元の世界に感じられることもよくある。ひょっとしたら、屋上から密集した街並みを見下ろしてみると、自分自身が別の空間に置かれているように感じるかもしれない。その世界観にインスパイアされ、自身もその過去と未来が行き交うような不思議な空間の虜になった、フォトグラファーのトム・ブラチフォードは別の次元を撃つ。

共有する

w

Edo Bulldog, Photograph Tom Blachford | Edo-Tokyo Museum, Architect: Kiyonori Kikutake, Year: 1993

東京の多様な風景は、長い間、世界で最も偉大なクリエイターたちに影響を与えてきた。 昼夜を問わず、この街には、目を凝らすと解読できそうな魅惑的な雰囲気が漂っている。 東京の高層ビルから混沌とした路地裏や横丁まで、街は他の都市とは異なる魅力的なキャラクターやストーリーテラーに満ちた、ある種の並存する美しさを映し出している。多くのクリエイターが東京に夢中になってきた。リドリー・スコットが来日した際に訪れた、新宿歌舞伎町の様子をヒントに描かれたという、映画『ブレードランナー』。2009年に公開されたギャスパー・ノエの映画『エンター・ザ・ボイド』では、ネオンで輝く歌舞伎町が舞台になり、「外」から見た東京の姿というものがサイケデリックな風景とともに描かれている。
このような多面性をもつ東京の街を、独自の視点でユニークに捉えるフォトグラファーがいる。オーストラリア・メルボルンを拠点とするトム・ブラチフォードは、人間の知覚の限界を超えたところに存在する透明感、色彩、神秘性の瞬間を捉えることにこだわり、カメラが人間の世界と手の届かない暗黒の世界をつなぐ能力を探求している。特に、建築物に魅了されている彼は、家、街、郊外のイメージを、書かれていない物語の舞台に見立て、それぞれのシーンの壁の向こう側で起こっている自分自身の「ドラマ」を見ている側に語りかけるのだ。そんな彼も、東京の魅力に引き込まれた一人である。「初めて日本を訪れたのは2013年で、その後、3回訪れました。正直、その光景には驚きました。そこで出会った文化や建築物の複雑さが信じられなかったのです。今が何年なのか、どこの惑星にいるのかも分からない異次元の世界に連れて行かれたような気分になりました。それ以来、この不思議な感覚を解釈しようとしています」

s

Edo Tokyo II, Photograph Tom Blachford | Edo-Tokyo Museum, Architect: Kiyonori Kikutake, Year 1993

s

Bruce and Milla, Photograph Tom Blachford | A nod to the flying taxi from the fifth element

alt

Nakagin Convenience, Photograph Tom Blachford | Building: Nakagin Capsule Tower, Architect: Kishō Kurokawa, Year: 1970

このような多面性をもつ東京の街を、独自の視点でユニークに捉えるフォトグラファーがいる。オーストラリア・メルボルンを拠点とするトム・ブラチフォードは、人間の知覚の限界を超えたところに存在する透明感、色彩、神秘性の瞬間を捉えることにこだわり、カメラが人間の世界と手の届かない暗黒の世界をつなぐ能力を探求している。特に、建築物に魅了されている彼は、家、街、郊外のイメージを、書かれていない物語の舞台に見立て、それぞれのシーンの壁の向こう側で起こっている自分自身の「ドラマ」を見ている側に語りかけるのだ。そんな彼も、東京の魅力に引き込まれた一人である。「初めて日本を訪れたのは2013年で、その後、3回訪れました。正直、その光景には驚きました。そこで出会った文化や建築物の複雑さが信じられなかったのです。今が何年なのか、どこの惑星にいるのかも分からない異次元の世界に連れて行かれたような気分になりました。それ以来、この不思議な感覚を解釈しようとしています」
 

alt

Capsule Dreams, Photograph Tom Blachford | Nakagin Capsule Tower, Architect: Kishō Kurokawa, Year: 1970

撮影は夜に行われるが、1つの建物を撮影し、自分が望むアングルをカバーできた、あるいはもっと良いものを捉えたと満足するには、たいてい2~3時間はかかるそうだ。カメラは、ニコン「D850」とティルトシフトレンズのセットを使用。パープル、ピンク、ブルーを多用したサイバーパンクのカラーパレットにこだわるようにし、自然で心地よいと感じられる明るい色を取り除き、できるだけネオンやディストピアのような色を保つようにしたという。「常に建築物に新たな光を当て、理想的には、過去、現在、未来に同時に存在しているイメージを描く。30~70年前の建築物を、この10年間に撮影し、あたかも未来から来たもののように見せています」
「建築の理想や、ユートピア的な理想がいかに簡単にディストピアのような悪夢になり得るか、という問題を提起するのも好きです」と話す、ブラチフォード。“NIHON NOIR”では、彼が最初に東京に来たときに感じた「異次元の世界」がまさに、彼のアーティストとしての手法とアングルで、人々に新たな東京の魅力を問いかけるのである。

alt

Aoyama Gundam, Photograph Tom Blachford | Aoyama Technical College, Architect: Makoto Sei Watanabe, Year: 1990

alt

The Battleship, Photograph Tom Blachford | Gunkan (Battleship Building) or New Sky Building No. 3, Architect: Yoji Watanabe, Year: 1972

 

a

Deckard’s Den, Photograph Tom Blachford | Building: Unknown, Reminiscent of a scene from Blade Runner which used pipes and augmentations to design sets of the future

 

a

Fish Market, Photograph Tom Blachford | This image was generated using many separate shots showing cars and traffic moving and then using a mathematical mean function to remove them as mathematical outliers in the scene

 

a

Fuji Mechano, Photograph Tom Blachford | Building: Fuji TV Headquarters, Architect: Kenzo Tange, Year: 1996

Text: Kurumi Fukutsu

English translation: Sho Mitsui

Images: Tom Blachford